2005J1リーグ第27節 浦和レッズ○7-0●柏レイソル@駒場スタジアム

試合中→試合終了後しばらくの間続いた歓喜と、その後の絶望との落差があまりにも大きかった一日。


まずは、Aゴール裏チケットを譲ってくださったカップルの方*1、バックSA席チケットを譲ってくださったご夫婦*2、本当にどうもありがとうございました。駒場に着いたのが13:20という遅さで、この時間じゃもうダメかも……と思いながらボード(というかノート)を出したら、5分も経たずに声をかけていただいて、すごく嬉しかった。今季、行けなかった1試合を除いて駒場に参戦できているのは、死にチケを出さないようにと奔走してくださった方々のおかげです。重ね重ね感謝。
今日は彼がSA席に、私が東ゴール裏に行くことに。ハーフタイムにチケットを交換しようという話もあったんだけど、いきなり周りがのんびり観戦モードになるのも調子が狂うので、結局最後まで同じ場所に居た。私たちは、彼がどちらかというと観戦重視派、私は応援重視派なところがあるので、その方がお互い都合がいい。


ゴール裏のサポートは、いきなり「ゴールで俺たちを熱くさせろ」から始まった。7月の国立でロングコールをやって、私は陰鬱な響きに耐えられなくなって途中でやめてしまったチャント。対岸のレイソルサポに「念仏」などと言われたチャント。「あの時、あのロングコールはどうだったのか?」と賛否両論が渦巻いたチャント。コールリーダーの前説もなしで、あえてこれを最初に持ってきたことの意味を噛み締めつつ、大声で歌う。
立ち上がりはほぼ互角というか、双方よく動いているというか……どちらが先制してもおかしくないような感じ。なかなかフィニッシュまで持ち込めず、ちょっとヒヤッとする場面もあったりして、カモン系のコールやチャントで選手を鼓舞する。
そんな時、明神がロビーをバックチャージで倒して「ゴルァ!」と怒っていたら、レッドカードが出された。スタメンに明神が入ってるのを見て、「強行出場しちゃうんだ……」とガクブルしていたのだけど、あまりにも早い時間に退場してしまったので驚いた。一発退場かと思ったら、後で聞いたところによると、明神は開始早々にイエローを出されていたんだそうな。それは気がつかなかった。
相手選手が退場しても、レッズって数的優位を活かせることが少ない気がするので、ますます緊張した。が、明神の穴はやはり大きく、積極的に攻め上がっていく長谷部やロビーが自由自在に動けるようになり、完全にレッズペースに。
長谷部→永井→達也と上手くボールが回ってる〜と思ったら、それがロビーに渡り、ゴール! 先制点!! バック2F最前列で観ていた彼曰く、この1点目は長谷部から永井へのドンピシャなスルーパス、達也の判断力、キーパーの動きを計算してシュートを打ったロビーと、とても美しい流れの末に決まったそうで、「あれには痺れた〜。今季のベストゴールかも」と言っていた。


それにしても今日は、サイドチェンジがほれぼれするほど見事に決まる。スタンドからはそのたびに拍手が起きる。最近、「サイドチェンジ禁止」の決まりでもあるのかと疑いたくなるような状態だったからなぁ……。そして、お家芸のドリブルと、精進中である素早くシンプルなパス回しとをバランスよく織り交ぜた攻撃が繰り出され、観ていてワクワク。こんな感覚は久しぶり。
特に、腰が治っていないはずの永井がすごい。何度もドリブルで右サイドを駆け上がり、いいクロスを入れていた。去年も思ったけれど、永井って右サイドの方がプレースタイルを生かせていいんじゃないかと……(これは、レッズサポ皆が思ってそうだw)。しかも前半、ウッチーが玉田に抜かれて「マズッ!」と思った瞬間、永井が戻ってクリアしたのには感動。このプレーに対して、ギドが試合後コメントで「あれでチームの一体感が増した」と褒めていた。
啓太のパスを、達也がダイレクトにシュートに持ち込んで2点目、永井のクロスをトミーがヘッドで叩き込んで3点目! トミーは、その後も立て続けにヘッドと足でゴールを決め、ハットトリック達成!!! トミーの一番のウリである、ポジショニングのよさが生きた感じかな。


後半の早い時間に、レイソルの誰かがまたレッドカードを出されていた。トミーが波戸を慰めているのを見て、ああ、波戸なんだ、と判った。波戸もイエロー2枚だったそうだけど、カードをよく見逃す私は気がつかなかった。なので、この判定が厳しかったかどうかについては、正直判らない。
ただねぇ……レイソル、ほんとラフプレー多すぎだったよ。「ク○ッ○レ!」コールが飛び出したほど。数的不利だったこともあってか、強引なファウルでしかレッズの選手を止められないような状態。危ないじゃないか(怒)!
それと、審判を囲んで抗議し、納得のいかない判定に苛立ちを募らせて、プレーまで空回りしていく姿は、まるで少し前のレッズみたいだなぁ……と思った。前半終わり頃という中途半端な時間に投入された*3、パンゾーこと小林祐三(←目立つ)が、皆のなだめ役になってたのが印象的だった。ベテランが若手になだめられるって、普通逆じゃないか?って感じで。


さらに、レイソルが9人になった直後、土屋と達也が交錯したらしく、達也は担架にのせられて負傷退場してしまった。私のいた場所(中心部近く)からはよく見えなくて、あの時何が起こったのか、ちゃんと把握できなかったのだけど……。「大丈夫かなぁ」と心配になった。そういえば、ロビーがドリンクボトルをすごい勢いで蹴り飛ばしていたなぁ(帰りの電車でREDS PRESSの選手コメントを読んで、その理由=土屋の危険なタックルに激怒していたことが判った)。


肩に力が入りまくっていた私も、トミーが4点目を入れた時点で、「これはもう大丈夫だな」と、ちょっとホッとした気分になった。ゴール裏全体もどことなく余裕モードになり、6点目の時は、酒井がゴール前でレイソルの選手をひょいひょいと小気味よく交わすのを、皆「オーーーーーーーー」とコールしつつも、ジーーーッと見入っている状態(笑)。レイソルのDF陣まで見入っていた(苦笑)ので、これは入るなと確信したら、案の定入った!!
左サイドに入った酒井は、このポジションが初めてだとは思えないほど、危なげなくプレーしていた。頼もしい。やっぱり、ギドはもっともっと酒井を使って欲しいと強く思った。


敵はもう、プレスもろくにかけてこなくなり、ギドはセル、カニ、赤星と期待の若手を次々に投入。残りの時間はさながら「ロビーコーチの若手公開練習」といった趣に。
カニは最後の最後で久々にゴールを決めてたけど、もっと思い切りよく行って欲しいかも。チャンスの時に迷いが生じるのか、判断が遅いというか……。セルの方が、ドリブルとかで積極的にゴールを狙ってる感じ。リーグ戦初出場の赤星は、バーに当たる惜しいシュートを打ってたし、何よりもすごく落ち着き払ってシンプルにプレーしていて、大物の予感。3人とも今後出番が増えるだろうし(というか増やしてギド)、頼んだよ。


約2ヵ月ぶりの生勝利。今季リーグ戦最初で最後の駒場での勝利。相手選手が2名退場したとはいえ、正直、ここまで大量に点を取るとは思わなかった。挨拶に来た選手たちを、「第九」メロディのチャント(って私は初めてだ)で迎える。
「ダメ外国人」だの「役立たず」だのと暴言を吐かれていたトミーのハットトリックは、心底嬉しかった。ヒーローインタビューの後、遅れて挨拶に来たトミーは、ちょこんと両足を揃えて、スタンドに向かって深々とお辞儀(東ゴール裏以外にも)。その律儀な姿に、たまらなく愛しさを感じてしまうじゃないか〜(苦笑)。久々に登場した酒井のゴールにも心が躍った。「酒井!」コールに振り返って手を叩いてくれた。
そういえばトミーの4点目か5点目の時だったか、ゴールを決めたトミーよりも先に、呆然とするラモスの顔がオーロラビジョンに大写しになったのには笑ってしまった。スポーツニュースじゃないんだからさ〜。
試合終了後のゴール裏には久しぶりに笑顔があふれていて、皆、とても楽しそうだった。何故か「オーバモニッポン」まで歌われ、「♪片付けようぜ〜 片付けようぜ〜」チャント*4まで飛び出す浮かれぶり。
勿論私もウキウキ状態。サブグラ前で彼、SB席住人の古参サポOさんと落ち合い、バスで浦和駅に向かいながら、「勝ちましたね〜!!」「酒井のゴールは泣けた」「こんなに今日点取らなくても、何回かに分けて取ってくれればいいのにね〜」などと楽しく会話していた。



……でもそれは、祝杯を挙げに行ったバーで、母からのメールに気付くまでの話。
試合中継を見ていたらしく、「たっちゃん、救急車で運ばれたみたいよ」と書かれていて、初めて事の重大さに気付いてショックを受けた。さらに、バーで流れていた試合ビデオでの問題のシーン、担架で運ばれていく達也の足首がありえない方向に曲がっているのを見て、目の前が真っ暗に。帰宅して、ネットで決定的瞬間を捉えた画像を見てしまった時は、吐きそうになった。
それを知らずに「7-0♪」などと浮かれていた自分が恨めしい。
何故達也が。代表で痛めた腰も落ち着きつつあって、キレキレな状態だったのに、何で今。どうしてこんなことに。
故意かとかそうじゃないかとか、正直どうでもいい。
ただただ、達也の怪我が一日も早く回復することを祈るばかり。



●この日のレイソルサポの応援

今季の駒場(私が見た限り)では、8月のジェフサポと同じくらいorそれ以上の入りだったんじゃないだろうか。出島全域がちゃんと黄色くなっていた。

  • 出島に吊り下げられたダンマクは、全部選手個人名のものだった。今日出そうなメンバーのを持ってきましたという感じ。大野のは「HIT MAN HARUTAKA」と「HIT MAN 大野」と2枚あり(出番なかったけど)。それに対して、平山のダンマクを見かけなかったような……というか、平山のダンマクって日立台にもあったっけ? なんか見たことない気がするんだけど。
  • コアサポはバックスタンド寄りに陣取っていた。この辺は8月のヴィッセルサポと同じだけど、違っていたのは、中心部と反対側にいるサポたちも熱心に応援していたこと。
  • ゲーフラは「俺達O.K」(D.Kに見える)と「南」、あとちばぎんカップ@臨海でも見かけた「汗」がすごく目立っていた。
  • キーパーが練習に出てきた時、『太陽にほえろ!』の「♪雄太〜 雄太〜 雄太〜」チャントを歌っていたっぽい。
  • 国立で印象的だった、鬨の声みたいなコールを今日もやっていた(「オー オオオオオー」ってやつ)。それに続けて、日立台ではレイ君が踊るタイコ&トランペット入りのコールも。
  • 今日はこちらの静観タイムが結構あったので、その時に声はよく聞こえた。レッドリバーバレーとか、「♪ゴールゴールゴール柏〜」とか歌っていた。
  • レイソルの応援って歌いっぱなし系だと思うけど、レッズが4〜5点取った時、ちょっと応援が途切れていた。

●頭ぐるぐるコール&チャント

「♪ララララララ柏〜」

……と思ったら、しばらくして、すごい勢いでこのチャントが始まった。これって、苦しい時に奮起を促すために歌ってたような気がするけど(←勝手な解釈)、たぶん、15分以上のロングコールだったんじゃないだろうか。最後の方は思いっきりキーが下がってたし。「やけくそで歌ってたね」という声も聞いたけれど、個人的には、「最後まで闘」っていたのは、選手ではなくサポだったな〜と……。頑張れ。

*1:シーチケではなく、一般発売のものを譲っていただいたのは初めて。争奪戦に勝ち抜いて手に入れられたのであろう貴重な1枚を……

*2:シーチケを2枚連番で持っておられたのに、1枚だけでごめんなさい……

*3:平山は怪我でもしたのか?

*4:ジュビロの「♪アレアレオーアレー」のメロディ