優勝決定の夜、浦和の街は

昨日の試合後。
優勝の実感が全く湧かないまま埼スタを後にしたものの、父親から(笑)「浦和レッズ優勝おめでとうございます」のメールが入ったり*1浦和駅に降り立って喜びに湧く街を歩いていると、徐々に嬉しさがこみ上げてきた。

駅前では各紙が号外を配布中。号外の束を持った人が現れると、バーゲンのおばちゃんもかくや、な勢いで人が殺到し、「押さないでください!」「危ない!」の怒号が飛び交う。将棋倒しになりかけたり、びゅうプラザのガラスに突っ込みかけたりしていて、配る人も命がけ状態(苦笑)。おそらく最初は「号外です!」と声を挙げていたんだろうけど、人々のあまりの過剰反応に恐れをなしてか、そろ〜っと持って来ていた。私も2回ほど号外配布の渦に突入したけど、強烈なエルボーやラリアートを食らいまくって敗退。結局ニッカンスポーツだけ入手できた。そのニッカンスポーツも、ガッと掴んだら8部ももらってしまったので、後で某居酒屋に並んでいる人に配った。埼玉新聞の号外欲しかったな。

Oさんが某居酒屋に並んでくれているというので行ってみると、「力」の前では太鼓が鳴り響き、狂喜したレッズサポが押し合いへし合い状態でチャントを歌いまくって、森の木陰でドンジャラホイ状態と化していた。それを見ると、さっきまでのポカ〜ン状態は完全に吹っ飛んで嬉しさ爆発、輪に加わってひとしきり歌い踊ってしまった。おい、そこのおまえ! 2年前のW杯の時、渋谷や六本木で狂喜する人々を「そこまでするほど嬉しいかねぇ」「騒ぎたくて騒いでんじゃないの?」みたいな冷ややかな目で見ていただろうがゴルァ>自分 ただし、ビールかけのビールは巧妙に避けてみたりした。K嬢とママン、お友達にもここで遭遇。

店に入って乾杯し、Oさんにあれこれ話を聞いた。Oさんはさすが古参サポだけあって、93年のアウェーの青ユニを着用。おお、生で初めて観たぞ。「一度も勝てなかった」呪われたユニだそうで、「そういう過去を断ち切るために」あえて着てきたんだそう。
史上最大の紙吹雪は、テレビでやっと見ることができた。選手入場で紙吹雪を撒いた瞬間、SB席にいたOさんの後頭部には、紙吹雪の束が何個か直撃したそうだ(苦笑)。その紙吹雪、Oさんが記念に拾ったものは新聞や雑誌をちぎったものではなく、白い紙に「PRIDE OF URAWA REDS」「11(ハートマークの中に数字) 田中達也」とプリントされていた。すごい……作成された方々には、改めてお疲れさまでした、と言いたい。
埼玉テレビの中継が始まり、ただでさえ盛り上がりまくっていた店内はさらにヒートアップ。「あの試合はちょっと振り返りたくない感じだね〜」などと言ったんだけど、坪井や山瀬、それに都築や酒井、内舘、千島といった、今日の試合に出られなかったメンバーが映ったのを観た途端、なんだか泣けてきてしまった。セレモニーで岡野が胴上げされている様子が流れ、気がついたらOさんが「……長かった、長かったよ〜〜〜」と、男泣きしていた。Oさんはしばらく、声を殺して泣いていた。CCのYさんが「おまえら、試合には負けたんだぞ〜(笑)」と言いながらお店に来た時も、Oさんは抱きついて涙を流していた。
辛い時も苦しい時も、チームを信じて12年以上応援し続けて来たOさん。感慨はひとしおだろう。それに対して、まさか優勝するとは思わなかったものの、今年の4月からスタジアムに行き始めた私(と彼)。正直、負け試合もあまり経験したことがないし*2、何だか美味しいとこ取りをしてしまっているような気がしないでもない。
実は、この「レッズの辛かった時期を体験していない」ことは、レッズの試合を観に行くようになってから、ずっと私のコンプレックスになっていた。レッズサポは「Jリーグ初年度から」という古参の方が多く、実際、レッズ関係のblogを書いておられる方も、私みたいに「今年から急に」という新参者はほとんどいないように思う。MDPで清尾さん・筆の、レッズの苦しかった日々について書かれた一文を読んだ時、初めて聴くチャントを周りの皆があたりまえのように歌っているのを見た時、そのコンプレックス(気後れ)はチクチクと私の心を刺した。……まあ、私の考えすぎというか、必要以上に卑屈になってるな〜という気がしないでもないんだけど……。でもいいや、今のところ「割と強いレッズ」しか知らない、美味しいとこ取りの幸せ者ってことで! うん、せっかく初優勝したんだからそれでいいや! キニシナイ!(←若干無理してる)

居酒屋を出て、祝勝会が行われていたらしきロイヤルパインズホテルなども見に行き、レッドボルテージの前では見知らぬサポの皆さんと記念撮影。すれ違うサポとハイタッチ。フラッグを掲げながら行進するサポの一群とたまたま一緒になり、チャントを歌いながら駅への道を歩く。「力」前はまだまだ盛り上がりまくっていて、「ゲットゴール福田」は勿論、小野伸二、福永、大柴、トゥットといったかつてのレッズ戦士たちのチャントも飛び出していた。何故かレディアのぬいぐるみがポーンポーンと宙に放り投げられていて、2度ほど電線に引っかかった。それを旗竿で救出する際「オーーーーーーーーー」→レディアが電線から転がり落ちた瞬間「オイ!!!」と叫ぶという、馬鹿馬鹿しくも可笑しい光景も。
優勝したのでサポート服を1着新調しちゃおう、と「URAWA POINT」に行くと、ここの前でも儀式の如く、太鼓の音に合わせて踊っている人たちがいた。そういえば、「力」の前も「URAWA POINT」の前も、ビールかけのせいか道がベタベタしていたなぁ。
駅の近くで、アルディージャのユニを着た人に出会った。皆で「おめでとー!」と言い合いながら握手。その彼は「来年よろしくお願いします」と言っていた。
そういえば、赤い発煙筒を炊いて持っている人がいた(怖い)。さらに駅前では爆竹が鳴らされ(怖いってば)、機動隊の車が停まっていた。その脇には、明日のCS第1戦チケ一般発売に備えて徹夜で並ぶ人々がいた。うーん、切り替えが早い。

今日の夜だけで、一体何人のサポとハイタッチしただろう。知らない人たちとこうして喜びを分かち合える機会を与えてくれた浦和レッズ、おめでとう&ありがとう!*3
「負けて優勝」に関しては、「浦和らしい優勝の仕方だよね(苦笑)」という言葉を何度も耳にした。きっちり勝って優勝することが「浦和らしい」と言われる日がいつか来ると信じたい。
新宿でOさんと別れ、彼の家に戻り、テレビ東京の祝勝会場中継を見て幸せな気分に浸りながら爆睡。あ、明日、起きられるんだろうか……

*1:家族にNHKの録画を頼んでいた。感謝! 生活時間帯が違うので、父親とは普段あまり顔を合わせないんだけど、私がレッズの試合に行くようになってからは「浦和レッズまた勝ったね〜」と挨拶代わりに言われていた

*2:ただし初観戦は負け試合だった。

*3:そして浦和の住民の皆様、申し訳ありませんでした