『銀座 街の物語』(53/100)

私は銀座の街がすごく好きだ。幼い頃、東京の母親の実家に行くと、祖父母が必ず「鳥ぎん」→「千疋屋」に連れて行ってくれたことや、学生時代に銀座のレストランでバイトしていたことなどもあって、銀座をブラブラ散歩していると、何だかホッと落ち着いた気分になる(←千葉県民のくせに)。洋服も本もCDも、銀座以外の街の方が好みのものが見つかりやすいんだけどねぇ。
なので、本書を見つけた途端、飛びついて買った。読了日は5/24。

銀座 街の物語 (らんぷの本)

銀座 街の物語 (らんぷの本)

「サヱグサ」*1社長をはじめ、銀座に縁の深い8人の執筆陣が、建築、映画、ファッション、食、メディアなどさまざまな角度から銀座の歴史を追った、すべての銀座好きにおすすめの1冊。
今は「銀座」というとコンサバなイメージだけど、昔はカフェー、モボ・モガ銀ブラみゆき族日劇エスタンカーニバル、『銀座の恋の物語』など流行の最先端を行く街だった訳で、本書の端々からその頃の空気が伝わってくる。『銀座百点』以外のタウン誌もちょこちょこと出ていたらしい。
古地図、昔の街並みの写真、カタログや広告などの紙ものの図版などがふんだんに使われているのが嬉しい。四方を川で囲まれていた頃の銀座なんて、私は知らないもんなぁ。
特に、p30-31に見開きでドーンと掲載された「築地警察署管内防犯協会要図」は、昭和25年1月当時の銀座の住宅地図のようなもので、数寄屋橋みずほ銀行(旧富士銀行)や松屋通り角の三菱東京UFJ銀行(旧三和銀行)はこの頃からあったんだな〜とか、中央通りの「森永キャンデーストア」って「森永ラブ」があった場所だっけとか、今あるお店などと比べて穴のあきそうなほど眺めて楽しんだ。
巻末の「銀座変遷史年表」は本当に詳細で、ラスト3ページ辺りから、個人的に記憶に残っているような出来事が登場してきて「ああ、そういえばそんなこともあったなぁ」となつかしく感じたりした。いつの間にか廃止されていた銀ブラバスとかね。

*1:老舗の高級子供服店