2006FIFAワールドカップ 決勝 イタリア○1(PK5-3)1●フランス(ベルリン)

やっとイタリア選手の顔と名前が全員一致するようになり、フランス選手の名前が全員判るようになったけど、ワールドカップはもう終わり。


イタリア優勝おめでとうございます。しかしジダン、現役最後の試合で、まさかあんなことになるとは……。後味悪いというか、( ゚д゚)ポカーンって感じだった。
ついでに、「退場者が出ませんように」「フランスが先制しませんように」「守備先行の試合になりませんように」「PK戦まで行きませんように」という願いがことごとく叶わなかったなぁ。


両チームとも立ち上がりは積極的に仕掛けてて、これは面白くなりそうだぞ〜とワクテカ。でも前半7分、マルダがマテラッツィに倒されて(?)PKゲット。うわー、嫌な展開。しかもなんつう微妙な判定……。キッカーは勿論ジダンで、バーに当たって垂直に落下、ギリギリでゴールライン内という面白いボールを蹴り、フランス先制点。あーあー、こんな早い時間に先制されちゃうとは。
その後も激しい攻防は続き、前半19分、ピルロの右からの高く山なりなCKを、ファーでビエラに競り勝ったマテラッツィがヘッドで叩き込んで、イタリア追いつく。おお、これはふりだしに戻ったぞ。
でも、ここからさらに面白くなると思いきや、両チームとも変に落ち着いちゃってシュビシュビしてきてしまい、「イタリアvs.フランスはこうなりそう」と考えていた通りの展開に……。


後半、フランス黒豹DF陣の一員・ビエラが脚を痛めて交代。さぞ無念だっただろうなぁ。イタリア有利になるかと思いきや、フランスがひたすら攻め続け、イタリアは防戦一方。シュート数もフランスの方が全然多かったんじゃないかと思う。たまりかねたリッピ監督が、ペッロッタと、プレースキック以外では何処にいるの?状態だったトッティを2人いっぺんに交代するも(イアキンタデロッシin)、状況は変わらず。
そして今度は、トッティに代わってトップ下に上がったピルロが、見事に存在を消され……。個人的には、うおーい、パス配給係を潰されたんじゃ余計手詰まりだぞー!と観ていて思った。結局ピルロは、また元の中盤の底に戻ってたけど。
しかし、デコにしろトッティにしろ、対峙したトップ下をたちまち封殺してしまうマケレレすごすぎ。試合前日、彼と「実はフランスの方がカテナチオなんじゃないの?」と話してて、この試合ではイタリアのカテナチオぶりが目立つ形になったものの、トーニにほとんどボールが入らないのって、やっぱりフランスの守備がガチガチだからでは?という気がする。アンリにはたびたびボールが渡ってたのに。
フランスはマルダ、リベリーがたびたび突破でチャンスを作り、イタリアは後半のうちにデル・ピエロを投入、「90分で決着をつけたい!」という意図を感じたものの、互いにゴールを割れず、つまらん展開のまま延長戦へ。「イタリアはセットプレーでしか、フランスはPKでしか点を取れる気配を感じない」と誰かが書いてたけど、まさにそんな感じだった。
しかしリベリー、いい選手だなぁ。いつも同じ表情でガンガン仕掛ける姿は、観ていてワクワクした。これまで名前も顔も全く知らなかった選手なので、まだ23歳(しかも苦労人)だと知って驚いた。


延長戦も終始フランスペース。ボクサー(サニョル)のクロスに走り込んでヘディングシュート!というジダンの見せ場があったけど、ブッフォンに片手1本で弾き出される。これが決まってればドラマチックだったけど、相手はブッフォンだし。
延長後半、そのブッフォンが主審のところに何やら抗議に行ったので「?」と思ったら、ジダンマテラッツィの胸に頭突きを食らわして倒す映像が……あーあーあーあー。マテラッツィとやりあってたみたいだけど、頭突きはプレーと関係ないところでのことで、ジダンにレッドカードが出されて退場。シュビシュビした展開に眠りかけてた人も、あれでバッチリ目が覚めたんじゃないだろうか。
私は海外サッカーをほとんど観ないので、ジダンがキレやすい人だとは知らなかったけど(でも、ドアを蹴り壊したんだっけ)、「雑魚め」みたいにあしらって何とか我慢できなかったんだろうか。できなかったんだろうなぁ……嗚呼、あのサイみたいな頭突きが現役最後のプレーって……ジダンorz


PK戦にもつれ込み、イタリアはピルロマテラッツィデロッシデル・ピエロ、何気に今大会でラッキーボーイな気がするグロッソの5人全員が成功。対するフランスは、ヴィルトールアビダルサニョルは決めたものの、2番手のトレゼゲがバーに当ててしまって失敗。トレゼゲ……やっと出番が来たのに。もう、何ともいえない表情を見てたら、いたたまれない気持ちになっちゃったよ(涙)。準決勝で嬉し泣きしてたサニョルは涙目になってるし、テュラムはボロボロ泣いてるし。アズーリを応援してたのだけど、レ・ブルーの面々にも「ここまでよく頑張ったよ」と声をかけたくなってしまった。PK戦はやっぱりキツい。
対するイタリアは大はしゃぎ。トッティはほっかむりしてるわ、カモラネージは断髪してるわw、ガットゥーゾはパンツ一丁になってるわww そして、ジダンの代わりに何気に主役になってるマテラッツィってwww 面白すぎる。PK戦の呪いが解けてよかったねぇ(って、リアルタイムでは知らないのだけど)。





そして、1週間ちょっと前まで「イタリアってそんなにいいの?」と反イタリア派だった(←言いがかりに近い)私を鞍替えさせてしまったピルロ。この試合で3度目のMOMに選ばれたようで、おめでとうございます(てっきりカンナバーロがMOMかと思ってた)。あんまり1人の選手のことばかり長々と書くのはなんだけど、今後そういう機会もないだろうし、書いちゃえ。
トップ下に上げられる前までは右に左にパスを出してたけど、準決勝のドイツ戦みたく、ペッロッタカモラネージを走らせるようなロングパスを出す機会は少なかった気がする。でも、FKや3回蹴ってたCKはいずれも精度が高くて、1点目のアシスト以外にも、マテラッツィやトーニにドンピシャで合わせてた。お見事。オフサイドだったけど、トーニのヘディングシュートにつながるFKもあったし、後半32分の直接FKは、ちょっとゴールの左にそれちゃって惜しかった。守備は、これまたドイツ戦の方が、スライディングタックルがビシッと決まったりしてたような。
PKは1番手か5番手だろうな〜と思ってたら、真っ先に出てきて手に汗握った。でも、1番手でゴールのど真ん中に落ち着いて決める度胸に萌え。ついでに、カンナバーロに後ろから抱きつきながらPK戦を見守ってる姿に、観てるこっちもさらに緊張した。いてもたってもいられなくて抱きついちゃってるんだろうな、って感じで。
イタリア人らしからぬ内気な性格なんだそうで、トッティやらインザーギやら陽気な人たちが先を争ってジュール・リメ杯にチュッチュしたり踊ったりしてる後ろで、控えめに喜んでる姿にも萌えた。
なんかマンUとかマドリーが獲得に動いてるとかいう噂だけど、今後どうするんだろう(ガットゥーゾみたいな人が近くで頑張ってくれないと生きないような)。とりあえず記念に貼っとく。↓

マッチ64/バドワイザー・マン・オブ・ザ・マッチ:アンドレア・ピルロ (イタリア)

2006年ドイツ大会を通じ、圧倒的な存在感を示したイタリアのアンドレア・ピルロが、大一番でも最高のプレーを見せ、フランスをPK戦で下した決勝のバドワイザー・マン・オブ・ザ・マッチに輝いた。
ドイツとの準決勝でも同賞に選ばれたピルロは、ACミランの同僚であるMFジェンナロ・ガットゥーゾとともに、フランスのジネディーヌ・ジダンフランク・リベリーに思うようなプレーをさせなかった。センターフォワードティエリ・アンリへのパス供給を寸断し、106分間プレーしたアンリのシュート数をわずか2本にとどめた。

ドイツ戦と同じように、ピルロは決勝でもチームの攻撃の幅を広げた。フランチェスコ・トッティがフランスの守備的中盤コンビに抑えられたイタリアにとっては、必要不可欠な働きだった。また、アズーリ(イタリア)のセットプレーをほとんど担当。ジダンのPKで1点を先制されて迎えた19分には、絶妙なアウトスイングのコーナーキックを蹴って、マルコ・マテッラツィのヘディングの同点ゴールにつなげた。

さらにPK戦では、世界の注目が集まる中で最初のPKを決め、イタリアの5-3での勝利に道を開いた。「ピルロは大会を通じて素晴らしいプレーを見せた」とFIFAテクニカル・スタディー・グループのジョゼフ・ベングロシュは絶賛した。「運動量が豊富だったし、ゴールもアシストした。最初のPKも決めたし、キラリと光る動きもいくつか見せた」。

ピルロ本人は以下のように語っている。
「信じられないくらいうれしいよ。世界チャンピオンになったことを肌身にしみて実感するまでには時間がかかるだろうね。ジダンの件については、主審が彼のヘッドバットをファウルと取ったのだろう。あの行為があった後でも、ジダンは偉大な王者だよ。ゲーム自体はとてもタフだったけど、それは想定していたこと。我々はとてもよくファイトしたと思う。最後のPKは宝くじだね」。


http://fifaworldcup.yahoo.com/06/jp/060709/1/7a6t.html


勝戦前のコメント。ドイツ戦は確かに単なるカテナチオではないと思ったけど、決勝戦はどう見てもカテナチオです。本当に(ry↓

イタリア代表ピルロカテナチオの時代は終わった」

イタリアは、もはや守りのチームではない。イタリア代表MFのアンドレア・ピルロは「どういう結果になるとしても、イタリアの“カテナチオ”(“かんぬき”と呼ばれる鉄壁の守備)は終わった」と主張している。

 ワールドカップ(W杯)準決勝のドイツ戦の終盤は、0−0の状況で攻撃的な選手が4、5人同時にプレーしていた。準決勝の試合で見せた戦い方こそがイタリアの新たな姿である。デュイスブルクのキャンプ地で開かれた最後の記者会見で、ミランの司令塔はそう語った。
「この大会中、僕らはずっと2トップで、時には3トップで戦ってきた。決勝の結果がどうなろうとも、イタリアの戦い方をカテナチオと言うことはもうないと思う」

 9日にはベルリンでフランスとの決勝が行われる。「難しい決勝戦になるだろう」とピルロは語る。モチベーションが勝負を分けることになりそうだ。
 イタリアが24年前を最後にW杯の優勝から遠ざかっているのに対し、近年のフランスは1998年W杯とユーロ(欧州選手権)2000を制している。ピルロは「この差が表れるかもしれない。僕らの方がフランスよりもタイトルに飢えている」と語った。


http://wc2006.yahoo.co.jp/hl?c=event&a=20060709-00000007-spnavi-spo