スポーツドクターのおしごと(14/100)

「たつパパ★南北線」のたつパパさんが『ジョッキー』の感想を書かれていて、こりゃ面白そう!と図書館に行ってみたら、貸出中だった(文庫化されてるんだから買えばいいんだけど……)。
代わりに借りてみたのがこの本。実際の読了日は1/18。

スポーツドクター

スポーツドクター

高校のバスケ部で活動する夏希は、スポーツドクターの靫矢(うつぼや)から、部員に隠し続けていた身体の故障を指摘される。夏希は彼の病院でバイトを始め、肩を痛めたリトルリーグのエース、競技向きの身体を作れない水泳選手ら、心と身体に傷を抱えたスポーツ選手たちと出会う。


スポーツドクターの仕事内容、スポーツ選手が抱えるさまざまな「傷」を、軽いタッチで描いた小説。難しい専門用語は出てこないので(せいぜい「ピボット」とか「膝の前十字靭帯」とかその程度)、スポーツに興味がない人でも読みやすいはず。
4つの短編からなるオムニバスなのに起承転結がある感じで、後半に行くほどグイグイと面白くなっていった印象。特に最終章では、プロスポーツ選手につきものの重大な問題が取り上げられており、そこに靫矢の過去や夏希の葛藤が絡んできて、ドキドキするような展開だった。
競技スポーツでは、フィジカル以上にメンタル面のケアが重要なこと、指導者の良し悪しが選手の調子に大きくかかわってくることを、改めて実感させられた。


それにしても、あの検査が、それほどまでに恥ずかしいことだとは知らなかった。そういえば、フクアリの施設紹介の記事に、総ガラス張りの検査用トイレの写真があったもんなぁ……。
読後感はとてもさわやかで、続編を読んでみたくなった。