「持っていてうれしくなる本」の元祖(17/100)

表紙の写真にひとめぼれ。読了日は1/28。

本と女の子 おもいでの1960-70年代 (らんぷの本)

本と女の子 おもいでの1960-70年代 (らんぷの本)

60-70年代、女の子たち@文化系の夢をかき立てた読み物たちを、関係者や愛読者へのインタビュー&対談を交えつつ紹介した本。取り上げられているのは、サンリオ(山梨シルクセンター)のミニブックシリーズ、新書館フォア・レディース・シリーズ、インテリア雑誌『私の部屋』、お花の池坊による婦人誌『新婦人』の4つ。


図版が沢山載っていて、斬新&ハイセンスな装丁の数々を楽しめる。この本の表紙写真も、フォア・レディースの『ひとりで街をゆくときも』(69年)で使われていたものだそう。『私の部屋』の内藤ルネのページは、こまごました可愛い小物が多用されていて、今見てもすごく素敵(総集編を復刻して欲しい)。それと、宇野亜喜良のイラストの登場回数がとても多いのが印象的。
ミニブックなのに1冊ずつ小さな箱に入っていたり、見返しのデザインが凝っていたり、表紙にコラージュが使われていたり。こういうのってやっぱり女の子向けの本だからこそで、ここ数年、特に目立ってきた「雑貨系の本」(雑貨の本、ではない)の元祖みたいなものじゃないかな〜と思った。本に「持っていてウキウキするもの」っていう要素を付け加えたというか。
これらの読み物へのあふれんばかりの愛情を感じさせつつも、「キャー!ステキ!カワイイ!」一辺倒じゃない、適度な距離感のある文章も心地よかった。


個人的に「あっ!」と思ったのは、サンリオのギフトブックと『私の部屋』。
多くの女の子たちと同じように、私も昔はサンリオショップに通い詰めていたのだけど、手のひらよりちょっと大きなサイズのミニブックは、欲しくて欲しくてたまらなかったなぁ……。この本に載っていたキキララやキティちゃんの表紙は、ぼんやりと記憶に残っていたりする。
『私の部屋』、特に別冊の『生活の絵本』は母が愛読していて、私は子供の頃(70年代後半)、何度も何度も絵本代わりに読んでいた。内藤ルネや、表紙を描いてた大橋歩はこの雑誌で知ったし、西村玲子の『ロンロンママ』(猫なのに人間のダンナさんがいて、息子は猫、娘は人間)は大好きだった。外国雑誌の生活記事の翻訳ページや、毎日ひとことコメントが書かれた折り込みカレンダーもよかった。あと、小さい女の子が、台所の道具たちにお料理を教わるレシピ付きの物語があって、それもすごくすごく好きだった。
去年、家をリフォームするので不用品を捨てようってことになったのだけど、母が大切に取ってあった数冊の『私の部屋』『生活の絵本』は、思わず2人して読みふけって「ダメ、これはやっぱり捨てられない」ってことになったのだった。その、うちにあるのと同じ年(78年)の目次の図版が載っていたのは嬉しかった。
……そんな感じで、しばしノスタルジーにふけってしまったよ。