『男性誌探訪』(70/100)

読了日は7/18。↓の「実録」ってどっから出てきたんだろ……(奥付の書名も『男性誌探訪』なのに)。

実録 男性誌探訪

実録 男性誌探訪

男性誌31誌をピックアップ、「世の中を読む」「余暇を愉しむ」「センスを磨く」「趣味に生きる」「若さをことほぐ」の5系統に大別。記事作りや語り口の特徴、読者のライフスタイルなどを分析し、辛口の論評を加えた本。
取り上げられているのは『週刊ポスト』、『週刊東洋経済』、『ダカーポ』、『MEN'S CLUB』、『LEON』、『月刊へら』、『鉄道ジャーナル』、『ホットドッグプレス』、『週刊SPA!』etcetc. 軍事雑誌『丸』は本書で初めて存在を知ったのだけど、『趣味は読書。』(id:RINRIN:20060703:1151949071)と違って読んだことのある雑誌が多かったので、笑わせられたり納得させられたりすることが多々あった。
一例を挙げると、

  • 『週刊ゴルフダイジェスト』=一般誌をゴルフ仕様に翻訳
  • 『日経おとなのOFF』="旦那ごっこ"をしたい男向けの雑誌
  • BRIO』=意外と恐妻家
  • 週刊プレイボーイ』=大人になり損ねた団塊雑誌

なるほどなー。愛読者にとっては腹の立つ指摘も多々あるだろうけど、分析力が鋭すぎる。


本書で取り上げられている中では、『BRUTUS』と『dancyu』は個人的に好きだったりするのだけど、前者は「代官山の地図が(デザインに凝りすぎてて)宇宙人向け」(図版あり)「横文字依存症」、後者は「コストパフォーマンス感無視」「記事の雰囲気が独り言っぽい」と斬られていて、うーむ、ごもっとも、という感じ。
BRUTUS』の東京ストリート特集の記事タイトルに対する、「なにが『ストリート・ア・ゴーゴー』じゃ」というツッコミには、お腹を抱えて笑ってしまったよ。『Number』の川口能活ルポ(文・金子達仁)への「なぜこんな串焼き屋の情景描写が必要なのか」という指摘も笑えた。
『趣味は〜』でも感じたけど、タイトルや本文の引用の仕方がとにかく絶妙。雑誌の特徴が最大限に現されてる記事タイトル、思わずニヤニヤしてしまう本文をズバリと引っ張ってきてる。そしてそれに対するツッコミの切れ味の鋭さ、面白さは他の追随を許さないと思う。
ちょっと残念なのは、00〜02年の雑誌連載をまとめたものなので、その後廃刊になったり路線変更してる雑誌(ホットドッグプレスとかね)が結構ありそうってことかな。